発毛診断士による頭皮に関する情報コラム
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■ ヘソが茶を沸かす
こんにちは! 育毛の達人の佐野です。
だんだん寒くなってきました。
鍋ものが楽しみな季節ですね。
髪のために良いのは、野菜、魚、脂身や皮のない鶏の胸肉です。 できるだけ薄味でいただきましょう。
■ ヘソが茶を沸かす
「ヘソが茶を沸かす」ということわざがあります。
元の意味は「面白くてたまらない」という語源なのですが、近年は批判や否定的な意味で使われているようです。
よくテレビで流れるシャンプーのコマーシャルを観ていると
「よくこんな詭弁がなりたつなぁ」
と感じるフレーズがあります。
たとえば・・
○ 髪が生き生きと蘇りツヤツヤになる
とか
○ しなやかに輝く髪に誰もが振り返る
というような表現です。
そもそも生えてしまっている髪が生き生きと蘇ることはありません。
なぜなら髪そのものは、死んだ細胞でできているからです。
髪の毛が生きていないものだとしたら、いくら外側から栄養を与えても効果が得られないのは明白なのです。であれば、シリコンがたっぷり入った洗髪剤で洗って髪が輝いたように見せて、ツヤツヤに輝きイキイキとしたように感じさせることはできます。死んだ細胞であれば髪だけツヤツヤにみせればシリコンを使っても危険度が高い界面活性剤を使った安いシャンプーを使ってもいいんじゃないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際にシャンプーをしてダメージを受けるのは頭皮なのです。
■ シリコンをすすめられない理由
シリコンというと豊胸手術を思い浮かべる方もいるかもしれません。
このシリコン、手術後は皮膚や関節が硬くなって苦痛が伴う女性も多く、さらにはガンや免疫異常を引き起こす可能性も指摘されています。
そもそもシリコン成分というのはとても吸着力が強いのが問題なのです。シリコンを配合している製品はシャンプーだけではなく整髪剤や化粧品まで多くあります。人間、不思議なもので、口からはいる食べ物の危険性は気になるのですが、肌から吸収されたり塗布したりするものには少し鈍感になってしまうんです。
しかし肌から吸収されるものほど実は怖いのです。
何年か前に厚生省の研究班によって行われた実験があります。
人間の血液中には、衣類の防虫剤や防臭剤に使われている「パラジクロロベンゼン」という物質が高濃度で検出されていることも分かっています。
「いったいどこから?」
と怖くなります。
昔の人は現代よりも薄毛の人口が低かったのですが、その理由を私はこう考えています。
現代人のほうが、食事だけでなく環境から化学物質を知らないあいだに吸収しているからではないか?と。
いろんな製品が出てくるに従って、我々の生活の周りや食べ物は、便利さとひきかえに防腐剤やらシリコン剤やら、数えきれない化学物質とつきあっていかなければなりません。先進国の豊かさと引き換えに、我々の体は毒素にさらされていると思っていいのではないかとも思うのです。
話しをシリコンに戻しましょう。
シリコンは固着力が強いのですが、ブラッシングやシャンプーでの洗髪ではある程度落ちてきます。しかし問題がありまして、キューティクルにガッチリと付着したシリコンは、キューティクルまで一緒に剥がしてしまうんです。最初の使い始めだけは艶が出てサラサラになり
「やっぱり使ってよかった!」
となるのですが、使い続けているうちに髪がか細くなっていきます。そして、そのうちに艶も出ずガサガサになってきます。そもそも髪を守るためのキューティクルを落としてしまうわけですから、水分を保てず乾燥するために枝毛になったり切れ毛になったりするわけです。
もっと怖いのは、シリコンが毛穴に詰まるとそもそも髪の土台である頭皮がボロボロになってしまうことなのです。
そこから薄毛にまっしぐら!
というわけですね。
一度、身の回りの製品を見渡してみてください。
裏の成分表示を確かめると、次のような成分が
配合されていたらシリコンです。
ジメチコン
シクロメチコン
ジメチコンコポリオール
フェニルトリメチコン
シクロメチコン
など
○○シロキサン(○○は別名になることも)
コポリマー(もしくはアミノエチルアミノプロビルメチコン)
シリカ
アモジメチコン
シロキ
など
シリコンの使用をキッパリやめても、髪や頭皮の回復には時間がかかります。
でも使い続けるよりは時間をかけて頭皮を正常にしていったほうがずっとマシだと思います。
■ 余談
16世紀に来日して布教活動を行ったポルトガル人修道士シルヴァの頭髪「バテレンの髪」を、九州大学医学部解剖学教室が分析したことがあります
。
それによると450年前頃のキリシタンの頭髪だったことが正式に判明したそうで、400~500年以前のヨーロッパ人の頭髪だとのことです。
髪は死んだ細胞でできているとはいえ、こんな何百年にも渡って保管できるものなんですね。